介護福祉

【訪問看護】訪問看護事業の開業に必要な資金と資格要件

訪問看護事業の開業に必要な資金

訪問介護ステーションは医療法人が開設する場合がありますが、ここでは看護師が開設する場合にどれだけ資金が必要かについて説明します。

さらに、出来るだけ少ない資金で開設することを念頭にします。

開業費用

まず、開業時に必要な費用は、

  1. 会社設立費用
  2. 建物賃借するときの敷金・保証金
  3. 事務所備品、事務用品

などです。

賃貸する建物は、家賃や敷金・保証金が出来るだけ安いところを探します。

  1. 表通りに面する必要はなく、
  2. 駅前でなくてもよく、
  3. 新築でなくてもよく
  4. 広い面積でなくてもよく(最低でも20㎡以上)

さらに、家主さんに社会的意義の高い事業であることや入金が3ヶ月後であることを説明して、フリーレントの期間や家賃の値下げを交渉してください。

ダメもとです。交渉できるのは、この時しかありません。

また、事務所の机、椅子、書庫(鍵付き)などの備品は中古で十分です。

FAXやコピーは、最初から立派なものを揃えるのではなく、割安の複合機にします。電話機はビジネスフォンは高いので、家庭用の電話機にします。

このように出来るだけ抑えると、上記の1~4の費用は100万円以内で済むと思います。

開業後の費用

さて、次は開業してからの費用です。

主な費用として人件費や家賃、その他の経費が発生します。

あなたが看護師で訪問看護ステーションを開設するなら、事業が軌道に乗るまで給料は無給です。

  1. 看護職員はあと1.5人必要ですが、給料を1人あたり1ヶ月35万円×1.5=52.5万円。
  2. 家賃が1ヶ月6万円。
  3. その他の経費が1ヶ月21.5万円

と仮定すると1ヶ月で80万円かかります。

ご利用者1人あたり5万円の収入があると仮定すると、80万円÷5万円=16人で損益トントンです。

開業してから、毎月新規のご利用者を3人ずつ獲得することができたとしたら、収支は次のようになります。

開業月2ヵ月目3ヵ月目4ヵ月目5ヵ月目6ヵ月目7ヵ月目8ヵ月目9ヵ月目10ヵ月目
ご利用者数累計3人6人9人12人15人18人21人24人27人30人
入金額0円0円15万円30万円45万円60万円75万円90万円105万円120万円
出金額80万円80万円80万円80万円80万円80万円80万円80万円80万円80万円
収支差額▲80万円▲80万円▲65万円▲50万円▲35万円▲20万円▲5万円10万円25万円40万円
繰越差額▲80万円▲160万円▲225万円▲275万円▲310万円▲330万円▲335万円▲325万円▲300万円▲260万円

この事例ですと繰越差額のマイナスが7ヵ月目で一番大きく▲335万円になります。

開業時の100万円と併せて、435万円の開業資金が必要になります。

訪問看護の人員基準

訪問看護を開業するにあたっては、職種ごとに資格要件と必要人員が決められています。

開業資金があっても、人員基準を満たすことができなければ、開業することはできません。

職 種資格要件配置基準
管理者・保健師、看護師
・医療機関における看護、訪問看護又は老人
 保健法第19条及び健康増進法(平成14年法律第103号)第17条第1項の規定に基づく訪問指導の業務に従事した経験のある者
・保健師助産師看護師法第14条第1項及び第2項の規程により業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後2年を経過しない者に該当しない者
専らその職務に従事する常勤の者1名
看護職員保健師、看護師、准看護師常勤換算方法で2.5以上(うち、1名は常勤のこと)
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護を実施する場合に配置)実情に応じた適当数

上図の通り

  1. 管理者については、保健師、看護師などの資格を有する者で、専らその職務に従事する常勤の者1名が必要です。
  2. また、看護職員については保健師、看護師、准看護師の資格を有する者で、常勤換算方法で2.5以上(うち、1名は常勤のこと)が必要です。

あなたが看護師であれば、管理者と看護職員を兼務できますので、あと看護職員1.5人を集めれば開業できます。

常勤換算で1.5人の看護職員というのは、次の事例でご説明します。

<事例>

営業日:月曜日~金曜日

営業時間:9:00~18:00(1時間の休憩)

1日8時間の勤務で、1週間(5日)40時間、4週で160時間、勤務する人が常勤職員です。

あなた(看護師)はフルで働かれるでしょうから、常勤換算で1とカウントされます。

残り常勤換算1.5人×4週(160時間)=240時間は、何人でもいいので集められるかです。

たとえば、1カ月80時間の看護職員を3人でも良いし、160時間1人と80時間1人でもいいです。

さいごに

 クロスト税理士法人では、介護福祉事業の開業に関して、初期相談から、事業計画作成、融資サポート、法人設立、指定申請代行、各役所への届け出の提出とまとめてご相談可能となっております。また、初回無料相談可能となっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

このコラムを監修した税理士

田代 健太郎

クロスト税理士法人 代表社員

近畿税理士会所属、登録番号126849号
税理士法人3社での勤務を経て、2015年に「田代健太郎税理士事務所」を設立。その後2018年に法人化し「クロスト税理士法人」に。
財務・税務調査の専門家として、決算申告業務、経営支援業務、独立・開業支援業務、医業福祉業の経営支援業務などの業務を提供。
法人に対する支援業務にとどまらず、生命保険・金融資産の検討・見直し、不動産運用に関するコンサルティング、
また相続申告、相続対策など、個人に対しても幅広い各種サービスを提供している。

書籍:「税務調査の良い受け方・正しい対応方法」、「会社経営者であれば知っておきたい節税のイロハ」、「創業計画書つくり方・活かし方」、ゼッタイ得する会社のつくり方はじめ方」、「相続の税金と対策」、「歯科医院経営の成功手法がわかる本」他。

クロスト税理士法人 https://crosst-tax.jp/

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