介護福祉

【訪問看護】令和6年度介護報酬改定と令和6年度診療報酬改定で新設された加算

はじめに

今回は令和6年6月から適用される、指定訪問看護事業の新たな加算について、令和6年度介護報酬改定と令和6年度診療報酬改定より抜粋して解説します。

新設された加算

令和6年度介護報酬改定と令和6年度診療報酬改定で新設された加算として今回開設するものは、次にあげる4つです。

【介護報酬改定】

  • 専門管理加算
  • 口腔連携強化加算

【診療報酬改定】

  • 訪問看護医療DX情報活用加算
  • 遠隔死亡診断補助加算

専門管理加算

専門管理加算とは、専門性の高い看護師が計画的な管理を行った場合の加算です。

単位数は、1月につき250単位です。

「専門性の高い看護師」とは、緩和ケア、褥瘡ケア若しくは人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師又は特定行為研修を修了した看護師をいいます。

【算定要件】

  • 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定訪問看護事業所の緩和ケア、褥瘡ケア若しくは人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師又は特定行為研修を修了した看護師が、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合には、所定単位数に加算する。
  1. 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合
  2. 悪性腫瘍の鎮痛療法又は化学療法を行っている利用者
  3. 真皮を越える褥瘡の状態にある利用者
  4. 人工肛門又は人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者
  • 特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合
  • 診療報酬における手順書加算を算定する利用者

口腔連携強化加算

口腔連携強化加算とは、利用者の口腔の健康状態の評価を実施し、必要に応じて歯科医療機関や介護支援専門員に対し情報提供した場合の加算です。

単位数は、1回につき50単位です。(※月1回のみ)

【算定要件】

  • 事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果を情報提供した場合に、1月に1回に限り所定単位数を加算する。
  • 事業所は利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、診療報酬の歯科点数表区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。

訪問看護医療DX情報活用加算

訪問看護医療DX情報活用加算とは、居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムを通じて利用者の診療情報を取得し、当該情報を活用して質の高い医療を提供することに係る加算です。

【算定要件】

別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)が、健康保険法第3条第13項の規定による電子資格確認により、利用者の診療情報を取得等した上で指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合です。

【施設基準】

  • 訪問看護療養費及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(平成4年厚生省令第5号)第1条に規定する電子情報処理組織の使用による請求を行っていること。
  • 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有していること。
  • 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い訪問看護を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して訪問看護を行うことについて、当該訪問看護ステーションの見やすい場所に掲示していること。
  • (3)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。

遠隔死亡診断補助加算

医師が行う死亡診断等について、ICTを活用した在宅での看取りに関する研修を受けた医療機関の看護師が補助した場合の加算です。

【算定要件】

別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、死亡診断加算及び在宅ターミナルケア加算を算定する患者に対して、医師の指示の下、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った場合です。

【施設基準】

情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が配置されていること。

さいごに

今回は令和6年度介護報酬改定及び令和6年度診療報酬改定において新設された、訪問看護に関する加算について解説しました。

今年、令和6年は介護報酬と診療報酬の改定年度が重なり、同時改定となるため、訪問看護事業経営者の方は改定内容に注目されているのではないでしょうか?

この記事が今後の経営を考えるうえで、参考になれば幸いです。

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このコラムを監修した税理士

田代 健太郎

クロスト税理士法人 代表社員

近畿税理士会所属、登録番号126849号
税理士法人3社での勤務を経て、2015年に「田代健太郎税理士事務所」を設立。その後2018年に法人化し「クロスト税理士法人」に。
財務・税務調査の専門家として、決算申告業務、経営支援業務、独立・開業支援業務、医業福祉業の経営支援業務などの業務を提供。
法人に対する支援業務にとどまらず、生命保険・金融資産の検討・見直し、不動産運用に関するコンサルティング、
また相続申告、相続対策など、個人に対しても幅広い各種サービスを提供している。

書籍:「税務調査の良い受け方・正しい対応方法」、「会社経営者であれば知っておきたい節税のイロハ」、「創業計画書つくり方・活かし方」、ゼッタイ得する会社のつくり方はじめ方」、「相続の税金と対策」、「歯科医院経営の成功手法がわかる本」他。

クロスト税理士法人 https://crosst-tax.jp/

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