介護福祉

【訪問看護】訪問看護事業の開業の流れと注意点

はじめに

訪問介護は高齢者や障害者などが自宅で生活を続けるための支援を提供する重要なサービスです。以下に、訪問介護の開業に関するステップと検討すべきポイントを介護福祉開業専門の税理士の目線からいくつかご紹介させていただきます。

1.開業の流れ

⓵ビジネス計画の作成

訪問介護の開業にもまずは事業計画が必要です。どのようなサービスを提供するか、どの地域をターゲットとするか、競合分析や市場調査、収益モデルなどを含めた詳細な計画を立てて、資金面の想定もしておくことが重要です。

②法的手続きとライセンス

 訪問介護業界は厳格な法律と規制が存在します。指定申請を行う事で、適切なライセンスや許認可を取得することになりますので、まずはこういった資格要件の確認が必須となります。

③人材の確保

 質の高い訪問介護を提供するためには、経験豊富な介護士や看護師などのスタッフを雇用する必要があります。昨今、看護師さんの採用が難しい状況が続いていますので、採用が事業成功の大きなポイントになってきます。

④保険とリスク管理

 介護の現場では事故や怪我が起きる可能性があるため、必要最低限の保険を検討し、リスクを管理する体制を整えることが大切です。

⑤マーケティングと広告

 訪問介護の需要が高い地域を選定し、ターゲット市場に向けて効果的なマーケティング戦略を展開しましょう。ウェブサイトやチラシ、地域コミュニティとの連携などが一般的な手法となります。

⑥予算と資金調達

 訪問看護は設備投資が不要ではありますが、それでも開業時は一定の運転資金の確保は必要となります。事業計画に基づいて必要な予算を詳細に算出し、資金調達方法を検討します。自己資金、銀行融資、投資家からの資金などを検討できます。融資を受ける際にはこの事業計画がとても重要となりますので初期からしっかり計画を練っておきましょう。

⑦システムとプロセスの確立

 訪問介護の効率的な運営を実現するために、スケジューリング、記録管理、報告書作成などの業務プロセスを整備しましょう。

⑧連携とネットワーキング

 地域の医療機関、社会福祉施設、地域団体などと連携を図り、訪問介護の需要を拡大するためのネットワークを築くことがとても重要です。

⑨品質管理とトレーニング

 スタッフの継続的なトレーニングや、サービスの品質管理体制を確立し、クライアントからの信頼を築いて、口コミでも集客できるように地道な努力を継続することも非常に大切なこととなります。

2,訪問看護ならではの注意点

訪問看護を提供する際に注意すべき点はいくつかあります。高度な医療ケアを提供するため、特別な配慮と準備が必要です。以下に訪問看護ならではの注意点をいくつかまとめました。

⓵安全性確保

 患者様に自宅での医療ケアを提供する際には、何より安全性が最優先です。環境の安全性チェックや、感染予防対策、医療器具の適切な使用、移動や転倒のリスクの評価などをしっかり行うことが大切です。

②プライバシーと機密性

 患者様の自宅でケアを提供するため、プライバシーと患者様情報の機密性の確保が重要です。適切な同意書の取得や患者様情報の適切な管理、プライバシーを尊重するコミュニケーションが求められます。

③コミュニケーションと家族連携

 患者様やその家族様とのコミュニケーションが非常に重要です。病状の説明や治療計画の共有、緊急時の連絡方法などを明確にして信頼関係を築いていきましょう。ご家族様との連携も患者様のケアの質を向上させる大きな要因となります。

④緊急事態への対応

 自宅での医療ケア中に緊急事態が発生する可能性があるため、スタッフは緊急時の対応策を十分に訓練されている必要があります。緊急時のプロトコルや連絡先を確認し、適切な対応を行えるようにしておきましょう。

⑤継続的な教育とトレーニング

 医療の進歩や新しい技術に対応するために、スタッフには継続的な教育とトレーニングが必要です。最新の情報をキャッチアップし、高い専門性を維持できるように努めましょう。

⑥文化的・宗教的配慮

 患者様の文化的背景や宗教上の信念に配慮することも大切です。こういった少しの気配り、気遣いで患者様との信頼関係を築き、ケアの質を向上させることができます。

⑦協力と連携

 医療チームや他の医療機関との連携が不可欠です。患者様の健康状態を共有し、継続的な治療計画を調整することで、最良のケアを提供できます。

⑧職務準備と自己保護

 自宅での訪問看護は予測できない状況が発生する可能性があります。スタッフは適切な準備と自己保護手段を持って訪問するようにしましょう。

まだまだあげればきりがないくらい注意しなければならない点はあるのですが、まずは上記8項目に注意をしてみてください。

さいごに

 クロスト税理士法人では、介護福祉事業の開業に関して、初期相談から、事業計画作成、融資サポート、法人設立、指定申請代行、各役所への届け出の提出とまとめてご相談可能となっております。また、初回無料相談可能となっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

このコラムを監修した税理士

田代 健太郎

クロスト税理士法人 代表社員

近畿税理士会所属、登録番号126849号
税理士法人3社での勤務を経て、2015年に「田代健太郎税理士事務所」を設立。その後2018年に法人化し「クロスト税理士法人」に。
財務・税務調査の専門家として、決算申告業務、経営支援業務、独立・開業支援業務、医業福祉業の経営支援業務などの業務を提供。
法人に対する支援業務にとどまらず、生命保険・金融資産の検討・見直し、不動産運用に関するコンサルティング、
また相続申告、相続対策など、個人に対しても幅広い各種サービスを提供している。

書籍:「税務調査の良い受け方・正しい対応方法」、「会社経営者であれば知っておきたい節税のイロハ」、「創業計画書つくり方・活かし方」、ゼッタイ得する会社のつくり方はじめ方」、「相続の税金と対策」、「歯科医院経営の成功手法がわかる本」他。

クロスト税理士法人 https://crosst-tax.jp/

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