介護福祉
【訪問看護ステーション開設2】会社の種類とその違い
目次
はじめに
訪問看護事業を始めるのに必要な手続きとして最初に思い浮かぶのは何ですか?
許認可の申請でしょうか?事業所の賃貸契約でしょうか?会社の設立?開業資金の融資?
一言「訪問看護ステーションの開設」といっても、必要な手続きは多岐にわたり、またそれぞれの手続きに対する専門家も様々なため、だれに確認すべきかわからないこともあると思います。
この記事は、訪問看護ステーション開設シリーズの第2弾として、会社の種類とその違いについて解説します。
会社の種類
訪問看護事業を始めるうえで、会社の設立は必須です。法人格がなければ、開業の許認可が下りないためです。
会社の種類は、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人、医療法人・・・と様々ですが、訪問看護事業を開業する場合で最も多いのは、「株式会社」と「合同会社」です。
この2つの形態は、訪問看護事業を経営する上では、さほど大きな違いはありませんが、設立する上で注意すべき相違点が2つあります。それは、「設立登記費用」と「会社の役員」です。
設立登記費用
主な設立登記費用としては、以下のものがあります。
- 印鑑証明代 (450円)
- 定款認証代 (条件により異なる)
- 謄本代 (約2,000円)
- 収入印紙代 (40,000円)
- 登録免許税 (条件により異なる)
このうち、条件によって異なるのは「定款認証代」と「登録免許税」です。
定款認証代は以下の通りです。
- 合同会社 ・・・ 0円
- 株式会社 かつ 資本金100万円未満 かつ ①発起人3名以下、②出資者が発起人のみ、③取締役会がない、の3条件を満たす ・・・ 15,000円
- 株式会社 かつ 資本金100万円未満 かつ 上に当てはまらない ・・・ 30,000円
- 株式会社 かつ 資本金100万円以上300万円未満 ・・・ 40,000円
- 株式会社 かつ 上のどれにも当てはまらない ・・・ 50,000円
登録免許税は以下の通りです。
- 合同会社 ・・・ 60,000円 (資本金の1,000分の7にあたる額が60,000円を超える場合は、資本金の1,000分の7にあたる額となります。)
- 株式会社 ・・・ 150,000円 (資本金の1,000分の7にあたる額が150,000円を超える場合は、資本金の1,000分の7にあたる額となります。)
「資本金の1,000分の7にあたる額」とありますが、合同会社の場合は、資本金約850万円が基準となり、株式会社の場合は、資本金約2,100万円が基準となります。
会社の役員
次に株式会社と合同会社の主な違いとして、「会社の役員」の考え方が挙げられます。
株式会社の役員
株式会社の役員は、会社法で定められている「取締役」「会計参与」「監査役」の三役を指しています。訪問看護事業を開業する上では、上記のうち、「取締役」のみを知っていれば問題ないでしょう。会社を設立する代表者は「代表取締役」として登記し、それ以外の役員は「取締役」として登記することになります。これは出資額などに関係なく、経営に参入する人を役員として登記する、という考え方です。
合同会社の役員
合同会社の場合は、正確には「役員」ではなく「社員」といい、出資したもののことを言います。税務上はこの「社員」が役員として取り扱われますが、言い方を変えれば、役員として登記する際に出資が必要不可欠となる、ということになります。
さいごに
今回は「株式会社」と「合同会社」の違いを、訪問看護事業を経営する場合に重要となる違いに絞って解説しました。参考にしていただけたら幸いです。
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